突然ですが、あなたは次のような悩みはありませんか。
- 計算問題が、まったくわからない。
- Youtubeで解説を聞くとわかったような気になる。けど、自分では解けない。
- ITパスポートの計算問題は捨てよう!
私も、計算問題に苦しんでいる人を見てきたので、気持ちがわかります。
「ITパスポート最速合格術」の著者であるトシゾー先生も計算問題は苦手な人が多いとおっしゃっています。
そこで、この記事ではITパスポートに出てくる計算問題を知識ゼロの人でも解けるように、攻略法をシェアします。
さっそく解説していきます。
令和5年 問55 計画完了に必要な要員数
問題文
ソフトウェア開発の仕事に対し,10名が15日間で完了する計画を立てた。しかし、仕事開始日から5日間は、8名しか要員を確保できないことが分かった。計画どおり15日間で仕事を完了させるためには、6日目以降は何名の要員が必要か。ここで、各要員の生産性は同じものとする。
ア 10 イ 11 ウ 12 エ 14
引用:https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/openinfo/pdf/questions/2023r05_ip_qs.pdf
解説
人日(にんにち)とは、作業量の単位です
例)このタスクは10人日の作業と言われれば
→1人いれば、10日で作業が終わる
→2人いれば、5日で作業が終わる
→5人いれば、2日で作業が終わる
本番でどう解く?
この問題を一旦飛ばし、最後まで問題を解く
↓
この問題に戻ってくる
↓
問題文をよく読む
↓
6日目以降に必要な要員数を求める問題と分かる
↓
回答が分かる
余談
実はこの問題。Twitter上で一時期に話題になりました。
ITパスポートの過去問読んでたけど、そうはならんやろな問題があった…… pic.twitter.com/xFeWOrKPF7
— ところてん (@tokoroten) June 14, 2023
話題になった本は、人月の神話
令和5年 問63 RAIDで実際に利用可能な記憶容量
問題文
容量が500GバイトのHDDを2台使用して、RAID0,RAID1を構成したとき、実際に利用可能な記憶容量の組合せとして,適切なものはどれか。
RAID0 | RAID1 | |
ア | 1Tバイト | 1Tバイト |
イ | 1Tバイト | 500Gバイト |
ウ | 500Gバイト | 1Tバイト |
エ | 500Gバイト | 500Gバイト |
引用:https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/openinfo/pdf/questions/2023r05_ip_qs.pdf
解説
最初に、この問題で出てくる単語を簡単に解説すると、
- HDD:
ハードディスク - 実際に利用可能な記憶容量:
利用者が使える容量。ハードディスクの容量を単純に足したものと、利用者が使える容量が異なるため、区別しやすいよう記憶容量という単語を使っているものと推測。
です。
RAIDは、これから説明します。
そもそもRAIDって何?
RAID(レイド)は、ハードディスクを組み合わせて、データを守ったり、高速化する技術です。
あなたにとって、スマホの写真やLINEのデータが大事なように、企業にとってデータは非常に大切なものです。
大切なデータはちゃんと守らないといけません。
また、Amazonや楽天市場、チケット予約サイトなどを想像してもらうとわかりやすいと思いますが、システムでは大量のデータを高速に処理することが必要です。
お客さんを待たすことができません。
それらの要求に答えるための技術の一つが、RAIDです。
RAIDは、ハードディスクが力を合わせて守ってくれる、頼もしい技術
RAID0って何?
RAID0(レイドゼロ)は、RAIDの種類の一つです。
RAID0は、ストライピングとも呼ばれます。
ハードディスク同士でデータを分散させて保存します。
そのおかげで、1つのハードディスクを使うよりも、データの処理がめっちゃ速くなります。
ただ、注意することが1つあって、RAID0を構成するハードディスクのうち、1台のハードディスクでも故障すると、データが全滅してしまいます。
RAID0(レイドゼロ)はめちゃ速いけど、ハードディスクが1台でも壊れた時は地獄
RAID0って、どれくらいデータを保存できるの?
RAID0では、すべてのハードディスクの容量を足し合わせることで、記憶容量を計算できます。
この問題では、500GBのHDDが2台ということなので、
実際に利用可能な記憶容量= 500GB + 500GB = 1000GB(1TB)
になります。
RAID1って何?
RAID0(レイドワン)は、RAIDの種類の一つです。
RAID1は、ミラーリングとも呼ばれます。
2台のハードディスクにデータをそっくりそのままコピーして保存します。
そのおかげで、1台のハードディスクが壊れても、もう1台に同じデータがあるので、しっかりデータを守ってくれます。
ただ、残念な点は2台のハードディスクにまったく同じデータを書き込むので、ハードディスクの容量がそのまま使えるのではなく、半分になってしまうこと。
RAID1(レイドワン)は、確実にデータを守るボディガード
RAID1って、どれくらいデータを保存できるの?
RAID1では、1台分のハードディスクの容量だけ記憶できます。
この問題では、500GBのHDDが2台ということなので、
実際に利用可能な記憶容量= 500GB
になります。
正解
正解は、イです。
RAID0 | RAID1 | |
ア | 1Tバイト | 1Tバイト |
イ | 1Tバイト | 500Gバイト |
ウ | 500Gバイト | 1Tバイト |
エ | 500Gバイト | 500Gバイト |
本番でどう解く?
問題文をよく読むというのは、言わずもがな。
そして、問題文が意図している状況を、手元に配布されたメモ用紙にイラストとして書くことが大切。
頭の中でやろうとすると、間違える!
手を動かせば、難しい問題でもひらめく瞬間がある
この問題は、知識+計算です。
RAIDの正しい理解があれば、解けます。
RAID0とRAID1で記憶容量が違うということだけ、覚えていれば正解の確率を50%にできます。
そうでないと、正解の確率は25%です。
この問題は、RAIDだけでなく、T(テラ)とG(ギガ)の変換ができることも大事です。
令和5年 問76 テストにおける再現率は幾らか
問題文
品質管理担当者が行っている検査を自動化することを考えた。10,000枚の製品画像と、それに対する品質管理担当者による不良品かどうかの判定結果を学習データとして与えることによって、製品が不良品かどうかを判定する機械学習モデルを構築した。100枚の製品画像に対してテストを行った結果は表のとおりである。品質管理担当者が不良品と判定した製品画像数に占める、機械学習モデルの判定が不良品と判定した製品画像数の割合を再現率としたとき、このテストにおける再現率は幾らか。
機械学習モデルによる判定 | |||
不良品 | 良品 | ||
品質管理担当者による判定 | 不良品 | 5 | 5 |
良品 | 15 | 75 |
ア 0.05 イ 0.25 ウ 0.50 エ 0.80
引用:https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/openinfo/pdf/questions/2023r05_ip_qs.pdf
解説
そもそも機械学習って?
機械学習は、コンピュータが自ら学習してルールやパターンを発見する技術のことです。
同じような単語として、人工知能(AI)やディープラーニングがありますが、整理すると次の通りです。
人工知能(AI) > 機械学習 > ディープラーニング
この問題では、品質管理担当者が製品の写真を見て「不良品」か「良品」か判断して、機械学習モデルに同じように判断できるよう学習させます。
なお、機械学習モデルというのは、特定の種類のパターンを認識するようにトレーニングされたものです。
再現率って何?
再現率は、問題文に書いてあり、機械学習モデルが正しく「不良品」と判断できた割合を表す指標のことです。
品質管理担当者が不良品と判定した製品画像数に占める、機械学習モデルの判定が不良品と判定した製品画像数の割合を再現率
この内容から、
再現率 = 機械学習モデルの判定が不良品と判定した製品画像数
÷品質管理担当者が不良品と判定した製品画像数
で計算すればよいことが分かります。
改めて、表を見ます。
まずは全体数を知る必要があるので、分母の「品質管理担当者が不良品と判定した製品画像数」を見つけます。
赤の背景の部分が、「品質管理担当者が不良品と判定した製品画像数」に該当するので、5+5=10とわかります。
機械学習モデルによる判定 | |||
不良品 | 良品 | ||
品質管理担当者による判定 | 不良品 | 5 | 5 |
良品 | 15 | 75 |
次に、分子の「機械学習モデルの判定が不良品と判定した製品画像数」を見つけます。
青字の部分が、「機械学習モデルの判定が不良品と判定した製品画像数」に該当するので、5とわかります。
よって、
再現率 = 機械学習モデルの判定が不良品と判定した製品画像数
÷品質管理担当者が不良品と判定した製品画像数
= 5
÷10
= 0.50
正解
正解は、ウ 0.50 です。
本番でどう解く?
問題文をよく読むというのは、言わずもがな。
この問題は、
問題文の量が多いのでヒントがたくさんある
と考えてOKです。
初心者は問題文の量が多いと絶望を感じますが、逆です。
この問題は、知識はほとんど不要で問題文が正しく読めたかどうかを確認する問題です。
ITパスポート試験によくある難しいことを言っているようで、実はシンプルなことを聞いているだけの問題です。
雰囲気に騙されないようにしましょう。
この問題の解き方ですが、本番では次のように解いていきます。
この問題を一旦飛ばし、最後まで問題を解く
↓
この問題に戻ってくる
↓
問題文をよく読む
↓
再現率を求める問題と分かる
↓
再現率の計算方法が問題文に書いてある
↓
担当者が不良品と判断した枚数は?(配布されたメモ用紙で計算する)
↓
そのうち、モデルが不良品と判断した枚数は?(配布されたメモ用紙で計算する)
↓
回答が分かる
試験では、問題文の意味がよくわからなくても、とりあえず配布されたメモ用紙にメモすること。
手を動かすことで、問題の理解が進むことがあります。
計算問題は一旦飛ばすという考え方でOKです。計算問題を確実に解くには時間がかかるので、最後まで問題を解き終わった後に、落ち着いて取り組むのがオススメ。
まとめ
計算問題をマスターしましょう。
追伸(P.S.)
ITパスポート試験にチャレンジする際は、参考書が1冊手元にあると安心です。
おすすめの参考書の一つに「ITパスポート最速合格術」という本がありますが、この本を購入すると、なんと著者によるダイレクトサポートを受けられます。
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