貫井ワールド、2冊目は壁の男。
灰色の虹が面白かったからこそ、推理小説でもなく、ホラーでもない、不思議な本書を手に取りました。
目次
総合評価&あらすじ
総合評価
★★★ or ★★★★(星3.5)
貫井ワールドが好きなら読む価値あり
本書は悲しい話です。
というのも、伊苅の元を去っていく人が7人も出てきたから。
去っていった理由は、人それぞれだけど悲しすぎる。
伊苅は一人の人間が経験できる人生を、7回くらい繰り返しているのではないか?
濃密すぎる人生だけど、自分が伊苅の立場だったら心が持たないかもしれない。
なぜこうも伊苅が苦しまなきゃいけないのか?
こんな理由で星3をつけました。
一方で貫井ワールドにはどっぷりはまりました。
その理由は
- 圧倒的な文章量で描かれる鮮明な情景
- 個性豊かな登場人物たち
- 予測不能なストーリー展開
その意味で星4。
本書は、星3と星4を2で割って、星3.5の評価です。
あらすじ
ある北関東の小さな集落で、家々の壁に描かれた、子供の落書きのような奇妙な絵。
その、決して上手ではないが、鮮やかで力強い絵を描き続けている寡黙な男、
伊苅(いかり)に、ノンフィクションライターの「私」は取材を試みるが……。
彼はなぜ、笑われても笑われても、絵を描き続けるのか?
寂れかけた地方の集落を舞台に、孤独な男の半生と隠された真実が、
抑制された硬質な語り口で、伏せたカードをめくるように明らかにされていく。
ラストには、言いようのない衝撃と感動が待ち受ける傑作長篇。
(Amazonより引用)
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