『室井慎次 生き続ける者』で私の印象に残ったのは、室井慎次が海を見つめるシーン。
一瞬の描写でしたが、実は『容疑者 室井慎次』から続く深い意味が…。
本記事の前半では、映画全体の感想。
後半で海を見つめるシーンに込められた想いを考察します。
総合評価:★★★★★ 必見の価値あり
この映画、心に刺さりすぎて★5以外の評価はありえない…。
特に室井慎次の存在感が圧倒的。
家族が過ちを犯しても怒らず、本人が気づくのをじっと待ち続ける聖母のような優しさと、家族を脅かすものには立ち向かう鬼神のような強さを持ち合わせてて、見てるこっちが圧倒されました。
室井慎次の愛情が、確実に家族みんなの心を育ててるんですよね。
そして、海を見つめながら手を合わせるシーン。
過去に失った恋人への想いと、今の家族への幸せが重なって、切なさと温かさが胸に染みました。
2時間×2部作という長さも決して無駄じゃない。
本当に各シーンが丁寧に描かれています。
こんな素晴らしい映画、久しぶりに観ました。
衝撃の展開!なまはげチョコに秘められた深~い意味
秋田といえばなまはげ。そのお菓子…なんて軽い気持ちで見てたら、まさかここまで重要なアイテムになるとは思いませんでした。
最初は何気なく出てくるこのお菓子が、実はリクの成長を表現する超重要アイテムだったんです。
リクが万引きで捕まって、反省して、最後には一人で謝りにいった行動が丁寧に描かれていました。
犯人探しはもういいの!?室井慎次の包容力に完全降参
元警察官のお話だから、てっきり犯罪捜査がメインかと思いきや…全然違いました。
むしろ犯人とか完全にどうでもよくなっちゃうくらい、室井慎次の存在感がデカすぎなのです。
タカやリク、杏だけじゃなくて、秋田県全体を包み込んじゃうくらいの大きな心の持ち主。
家に火をつけられたりしても、相手が気づくまでじっと待つなんて…。普通の人なら即ブチ切れですよね?
私なんて絶対許せない。
心が小さい私は、
- 牛を育てている小沢仁志と飯島直子の2人が怪しいのでは?
- 実はレインボーブリッジ事件の犯人と町の人が繋がっているのでは?
- 秋田県警で交番勤務している矢本悠馬が怪しいんじゃないか?
とかいろいろ考えていました。。。
涙腺崩壊…!なまはげシーンに込められた深いメッセージ
この映画で一番グッときたのが、なまはげの「泣く子はいねがー」のシーン。
人を信用できなくなってしまったリクに対して、いつもは難しい顔してる室井慎次が突然なまはげのモノマネを始めるんです。
両手の人差し指を角にして「泣く子はいねがー」って近づいていく。
普通に考えたらめちゃめちゃシュール。
でも、このシーンこそ私の涙腺を崩壊させた名シーンでした。
というのも、リクが室井慎次に心を許した瞬間であり、室井慎次とリクが初めて家族になった瞬間にぐっと来てしまったから。
リクと室井慎次の目が合った時の、室井慎次の笑顔は本当に素敵だったな~
予告編でも出てきます。
サプライズ満載のエンディング!そして気になる続編の噂
エンドロールが終わりそうになった時の青島さん登場にはビックリ。
相変わらずのコートとバッグ姿なんですが、ちょっと白髪交じりになった姿がめっちゃ渋くて素敵…。
若くてフサフサの頃も良かったけど、年齢を重ねた青島さんもカッコよすぎです。
「踊るはまだ続く」と英語のメッセージが出てきた時は、もしかして次は青島さんメインの新作来るの!?と期待が止まらなくなりました。
エンドロールが始まったら急いで帰っちゃった人、絶対損してます。
でも正直なところ、室井慎次はもうちょっと生き続けてほしかったかも…。
続編の可能性とか、青島さんとの新たな絡みとか、いろんな妄想が膨らむ終わり方の方が良かった。
おすすめな人・おすすめでない人
この映画をおすすめな人、おすすめでない人をまとめました。
見に行く前に参考にしてください。
おすすめな人
こんな方にはおすすめです。
人間ドラマ重視の映画が好きな人
マジ泣けるし、登場人物の心情とか背景がすっごく丁寧に描かれてて、本当深いんです。
「感動」「ヒューマンドラマ」のような言葉を使うと安っぽく思われてしまうかもしれないですが、まさにこれ!
「踊る大捜査線」シリーズのファン
あの男の出演シーンは興奮してしまいますし、前作とのつながりもヤバい。
過去作見てる人なら120%楽しめます。
じっくり見たい人
2時間×2部作っていう長さだけど、それぞれのシーンが無駄なく大切に作られてて、ゆっくり物語を味わいたい人にピッタリ!
おすすめでない人
以下に当てはまる方は別の映画を見たほうが良いです。
サクッとしたミステリーを期待する人
犯人探しとかサスペンス要素を期待してたら、ちょっと違う感じかも。
「犯人なんてどうでもいい!」くらいの作品なんです。
アクション重視の人
心理描写とか人間関係のドラマがメインで、派手なアクションとか刺激を求めてる人には物足りないかも。
エンドロールスキップしちゃう人
マジ重要なシーンがエンドロール後にあるから、途中で帰っちゃうともったいない!
大切なシーンが含まれています。
口コミ
口コミをまとめます。思ったよりも低い評価が多かったのはびっくりしました。
低い評価
この映画は、脚本が矛盾だらけで、時代錯誤な価値観が強調される点が目立ちます。例えば、室井慎二が放火事件の犯人を疑っておきながら、被害届を出さないという行動に対し、「人を疑ってはいけない」と説教するシーンは、観客に強い疑問を抱かせます。また、登場人物がスマホやゲームを悪者扱いする描写も、時代に合わない感じが否めません。全体的に、ストーリーがめちゃくちゃでありながらも、その不条理さが逆に笑えてしまう不思議な魅力を持つ映画です。
ツッコミが追いつかない!!『室井慎次 生き続ける者』感想レビュー ネタバレあり!!を要約
映画『室井慎次 生き続ける者』の後編は、前作のヒューマンドラマ部分を引き継ぎ、事件の進展がほとんどなく、里親ドラマに終始してしまった印象。特に室井が犯人を直感で特定する展開や、警察官を辞めた室井が英雄視される点に違和感を覚える。劇的なシーンや感動的な音楽が多用されるが、結局物語は薄っぺらい印象に。青島刑事の不在も話題となり、最後に登場するものの、彼の登場タイミングには不満が残る。
映画『室井慎次 生き続ける者』青島は登場するのか?を要約
映画「敗れざる者」には素晴らしい要素があったものの、後味が悪いと感じました。前半で描かれた恋愛が後半で突然のNTR展開となり、失恋シーンが唐突で驚きました。その後、失恋した女性キャラクターが全く登場せず、モヤモヤが残ります。また、室井さんのキャラクターに違和感があり、警察の経験から予測できる行動をしなかった点や、彼の○○○があっけなすぎることに不満を感じました。過去のキャラの再登場や未来への繋がりは嬉しかったですが、室井さんを○○ことで続編への期待が裏切られたことに失望。踊るシリーズは、室井さんや和久さんなしでは成立しないと感じ、映画の終了を望む気持ちが強くなりました。
この映画で踊る大捜査線は完全完結!それでいいでしょ?を要約
中間の評価
映画『室井慎二 生き続ける者』は、警察ドラマとしての「踊る大捜査線」の枠を超え、初老男性の人生に焦点を当てた作品です。室井慎二が引退後、秋田で静かな生活を送る中で、事件が彼を再び動かすことになります。しかし、事件の展開はあまりにもあっさりしており、ストーリー自体よりも室井の心の葛藤や人間関係に重きが置かれています。愛や信念、父親としての未熟さを描く姿が、クリント・イーストウッド映画のような深みを感じさせます。シリーズのエンタメ要素を期待する人には物足りなさもあるかもしれませんが、室井慎二というキャラクターの生き様を掘り下げた作品としては十分に感動的で、これまでの「踊る」シリーズからの脱却を目指した重要な転換点と言えるでしょう。
室井慎次 生き続ける者 踊るであって踊るじゃない映画。まるでクリント・イーストウッドの映画のよな初老男性の悲哀を描くに特化 そしてラストの……を要約
高い評価
前作『室井慎二 敗れざる者』の続編で、室井慎二が警察を辞め故郷秋田で静かな生活を送る姿が描かれています。主人公の室井慎二が抱える過去の悔いと現在の生き様が強く共感を呼び起こし、観る者に人生の指針を示すような作品。特に、過去の自分と現在の自分を重ね合わせることで、未来への希望や生き方の大切さを感じさせてくれる映画として高く評価できます。
人間 室井慎次をゆっくりと自分の中に刻んでもらえたような気がしました。
生き続けるもの
踊るの対極にあるようなこのテンポこそが、この映画のひとつの魅力的なのかもしれませんね。
振り子のように、また、あの世界に、彼らに、どうしようもなく会いに行きたくなります。
”THE ODORU LEGEND CONTINUES” 第4作。
通常スクリーンで鑑賞(先行上映)。
本公開前なので、ネタバレを避けて感想を記す。
そんなに風呂敷を広げて大丈夫かと少し心配になった前編だったが、その風呂敷を見事に畳む素晴らしい後編だと思う。
室井慎次という男の総決算
過去作は全て本作のための伏線だったのではないかと思いたくなるほど、様様な要素が重層的に絡み合って物語を紡ぐ。
子供たちや村人たちと室井の関係が織り成すドラマも(強引さはあったが)見事な着地を見せ、感動させられた。
室井慎次と云う男の人生の年輪がそのまま彼の言葉や想いに反映され、とめどない涙を誘う。まさに総決算だった。
海を見つめるシーンの意味が切なすぎる…
映画『室井慎次 生き続ける者』を見た方は、室井慎次が冬の日本海を見つめていたのに気づきましたか?
そして海に向かって手を合わせていたことも。
以下は海を見つめるシーンで登場した秋田県の入道崎です。
室井慎次が、冬の日本海に向かって手を合わせていたのには深い理由がありました。
それは、彼が大学時代に出会った恋人の野口江里子のことを思い出していたからです。
二人は出会ったのが室井の母校である東北大学でした。
当時、家庭の事情で大学に進めなかった江里子は、大学の購買部でアルバイトをしていたのです。
そこで出会った室井と江里子は、惹かれ合い、恋人になっていきました。
しかし、悲しいことに、ある冬の日、江里子は海に身を投げて命を絶ってしまったのです。
その最期の地が、おそらく江里子が住んでいた宮城県の海。
場所は離れていても、彼女を感じられる海に手をあわせていたと推察できます。
映画『容疑者 室井慎次』で、室井は「彼女なしでは生きている意味がない」と言っています。
まさにその通り、彼の心の中には、今もかつての恋人がしっかりといるのです。
映画の中でリクから「室井さんはなんで結婚しないんだ?」という質問に「恋ならしたことがある」と答えていましたね。
そして、この映画で使われている挿入歌「WITHOUT YOU」の切ない歌詞も、室井の胸中を物語っているかのようです。
I can't live if living is without you I can't live I can't give anymore I can't live if living is without you I can't live I can't give anymore あなたがいない人生なら 私は生きていけないの あなたがいなければ生きていけないし これ以上何も捧げられないじゃないの あなたがいない人生なら 私は生きていけない あなたがいなければ生きていけないし これ以上何も捧げられないじゃないの 【歌詞和訳】Without you (ウイザウト・ユー)/マライア・キャリーより引用
「あなたがいない人生なら 私は生きていけない」
この歌詞が、室井慎次の心情をズバリ表しているのではないでしょうか。大切な彼女を失った悲しみと寂しさが、ここにも表れているのです。
今もなお、室井慎次の心は江里子のことで一杯です。
その思いが、冬の荒々しい海に向かって手を合わせる姿に表れているのだと感じられます。
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