【将棋・伊藤新叡王】藤井八冠の牙城の一角を崩す【勝因は対局室の空気かもしれない】

ついにその日が来てしましました。

第9期叡王戦五番勝負の第5局。

絶対王者・藤井八冠が伊藤匠七段に激闘の末敗れ、失冠しました。

藤井聡太八冠が初の失冠 叡王戦、伊藤匠七段が制す

目次

伊藤匠七段、おめでとうございます

同学年の藤井八冠に勝利し、見事初タイトルを獲得した伊藤さんの活躍は素晴らしいものがありました。

序盤から冷静沈着な指し回しで藤井八冠の持ち時間を削り、終盤の反撃の手も的確。

粘り強い棋力が報われた勝利だと言えるでしょう。

初タイトルもすごいですが、藤井八冠からタイトルを奪ったのはさらにすごい偉業です。

28年前の1996年にも同様のことがありました。

当時羽生七冠の牙城を崩したのは、三浦弘行五段。

その後の三浦さんの活躍は将棋を知っている方であれば有名な話です。

三浦弘行五段 羽生七冠の一角崩す

歴史に名を刻みましたね。

藤井さん、お疲れ様でした

藤井さん、お疲れ様でした。

まずはゆっくり休んでいただきたいなと思います。

今日までは本当に大変だったはずです。

というのも、全棋士から常に追われる立場だったから。

現役の将棋棋士は2024年6月19日時点では172名いるそうです。

藤井さんを除いた171名から常に狙われるのは想像を絶する大変さ。

  • 「八冠の牙城を崩せ」という使命のもと、対局に挑まれる
  • 自身の棋譜は対戦相手に研究され尽くされている
  • タイトル戦に加え、関連イベントの対応もあり研究時間が取れない

圧倒的な不利な状況で戦わなければいけないのが、藤井八冠でした。

その状況は他の対局でも見られます。

一昨年の秋あたりから、「包囲網」が厳しくなってきた。対戦相手が序盤の早い段階で、前例のない形をぶつけられ、手探り状態で戦いながら一方的に時間を使わされ、リードを許し、土俵を割っていた。

今年2月の朝日杯決勝(持ち時間各40分)がいい例だ。永瀬拓矢九段が矢倉に誘導した。先手の永瀬は序盤からスイスイと指し進め、たった1分しか使ってなかった。対する藤井は早々と39分使い、指し手を1手60秒未満で指さなければならない「1分将棋」の末に完敗した。これらの状況を踏まえて、タイトル失冠について「時間の問題だと思っていました」とあくまで冷静だった。

藤井聡太8冠陥落 叡王戦で伊藤匠七段に屈し初めてタイトル失う 7冠後退「254日天下」

その中でも八冠を保持しつつけたのは、すごいことだと思います。

今後もさらに面白い対局を期待しています。

伊藤匠七段の勝因は何だったか?

  • 時間の使い方がうまかった
  • 研究の成果が出た
  • 粘り強い差し回しだった

いろいろな考えがあると思います。

このあたりは将棋が強い方やAIにお任せしたいと思います。

ここでは、私なりの勝因分析をしてみたいと思います。

結論:伊藤さんが勝てた理由は対局室の空気を味方にできたから。

「おいおい、そんなことあるかい?」と突っ込みが聞こえてきそうですが、対局室の空気によって勝敗が決することはあります。

将棋の河口俊彦さんも同じようなことを本で書かれていたと思います。(記憶違いだったらすいません)

  • 1996年当時、羽生七冠が谷川浩司王将から奪取したのも対局室の空気が関係している
  • 対局室で立ち会う棋士や対局検討を行う控室、会場にいる記者がその空気を作る
  • その空気とは、羽生が七冠をとってほしい、彼ならやってくるといった思い
  • もちろん、誰も口には出さない。でも空気が二人の対局に影響を与える

今回も同じような空気ができたのではないか?

伊藤さんに勝ってほしい空気が対局室に流れ込んだのではないか?

そんなふうに想像しています。

AIに人間は棋力で抜かれても、将棋はまだまだ面白さがありますね。

まとめ

私が初めて買った将棋の本は、藤井さんの本です。

藤井さんといっても藤井猛さんの本ですが。

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この記事を書いた人

理系脳と文系心を持つITエンジニア。情報処理技術者(高度)7区分合格。映画・本で感性を磨き、ヘルニアと闘いながらムエタイ最弱戦士として成長中。仕事と趣味を両立させながら、社会人の知的好奇心を刺激する情報を発信中。

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