【レビュー】天才詐欺師のマーケティング心理技術(ダン・ケネディ、チップ・ケスラー著)

ビジネスで成功したかったら、詐欺師の手口を徹底して研究しなさい

そして、自己防衛含め、それを利用しなさい。

X(Twitter)である方から、このアドバイスをいただきました。

「詐欺師の手口」って、どう学ぶんだろう?

こんな疑問が浮かびましたが、以前から気になっていた「天才詐欺師のマーケティング心理技術」で学べると思い、読み始めました。

目次

感想

この本を購入して、率直に言って後悔しています。

なぜなら、これまで私が自分の意志で買ったと信じていた商品やサービスが、実は巧妙に仕組まれたマーケティングに影響されていたことが明らかになったからです。

とはいえ、この本を読むことでマーケティングに仕組まれた心理技術について学ぶことができ、その意味で価値のある経験でした。


さて、この本を読む目的は、

  • ビジネスで成功するために「詐欺師の手口を学ぶこと」
  • 「詐欺師から自己防衛できるようになること」

でした。

詐欺師に騙されないようにするには、どうしたらよいか?

それは、詐欺師が利用している心理技術を学ぶことが必要です。

もちろん、詐欺師として行動することは違法で道徳的にも問題がありますが、彼らの心理技術を知ることで、自分を守ることができるのです。

この本はまさにその点で重要な情報を提供してくれました。

特に、詐欺師は一般の人々よりも勉強熱心で、日々新たな手法を研究しています。

一方で、普通の人は詐欺被害に遭わないように注意を払うことはあっても、詐欺師の技術を理解しようとはしないことが多いように思います。

詐欺師が使用する手法や手口は常に進化しており、例えばフィッシングやビジネスメール詐欺など、ITパスポート試験に出題されています。

だからこそ、手法や手口に捉われるのではなく、人間の感情に目を向けて対策を練ることが重要だと考えます。

この本は、ビジネスの成功のために、「詐欺師の手口を学ぶこと」そして、「詐欺師から自己防衛できるようになること」に関心がある方には、是非読んでほしい一冊です。


ここからは、Chapterごとに感想を書きます。

Chapter 3 行動の人になる

ジョン・ブリンクリーは、患者数が多く、広く理解され普通に話題にできるこれらの症状には見向きもせず、上品な会話では決して触れられない、もっと強い感情的反応を呼び起こす病気に注目した。

この中で重要なポイントは、この2点。

  • 「上品な会話では出てこない」
  • 「もっと強い感情的反応を呼び起こす」

具体例を出すと、

  • もっとお金を稼ぎたい。お金持ちになりたい
  • もっとS○Xしたい。気持ち良くなりたい。

などに取り組むことが、マーケティングで成功するコツと思いました。

Chapter 20 富の原動力

「アイデア」と「約束」の大きさがパワーの源となる

(省略)

「ビッグアイデア」は~恐怖と欲望に結びついてればいるほど、大きな効果を持つ。

(省略)

「ビッグプロミス」は、例えば、信じる、といったような特定の考え方を勧め、実行すれば望むものがすべてやってくる、というものである。これは、非常に大きく、極めて魅力的な約束である。なぜなら、例えば、”そして努力しなさい”といった条件を省略しているからである

本書の中で、出てきた例です。

キリスト教

  • ビッグアイデア:救済と、死後の天国での永遠の命
  • ビッグプロミス:信じよ、そうすれば天国に迎えられる

ブリンクリー

  • ビッグアイデア:回春。若さを取り戻す
  • ビッグプロミス:決断するだけ

実際の例です。

スピードラーニング

  • ビッグアイデア:自然な英会話を身につける
  • ビッグプロミス:聞き流すだけ

RIZAP

  • ビッグアイデア:2-3カ月で大幅な体重減と体型改善を目指す
  • ビッグプロミス:信じよ、そうすれば痩せられる

これらから見えてくるのは、ビッグプロミスでは、「努力する」「頑張る」など顧客の負担になる言葉は使わないこと。

「○○でもできる」(例:初心者でもできる)、や「○○するだけ」(例:1日5分読むだけ)などの言葉を使うことで、顧客の抵抗を排除することが重要と思います。

Chapter 31 ポジショニング

庶民を救いたい一心で果敢に戦いを挑む医師として、自分をポジショニングしようとしたのだ。

マスコミが政治に対してとっているスタンスと近いように感じます。

国民に税金の負担を強いる政治に対して、庶民の味方であるマスコミとして、自分たちをポジショニングする。

そうすることによって、視聴者を味方について、視聴率を獲得する。

マスコミも同じ行動をしているようです。

これについては、本書でも次のように書かれています。

ブリンクリーは賢明にも、大衆には、弱い者に味方し、「体制」を信用せず、強大な権力に攻撃されている真実や正義の代表者に注目する傾向があることを理解していた。

ポジションが作れない時は、「仮想敵」を作る。

オススメでない人・オススメな人

こんな方にはオススメしません

  • マーケティングに詳しい人
  • 詐欺なんかにひっかからないと思っている人

一方、こんな方にはオススメです

  • マーケティングを勉強したい人
  • 詐欺師が使っている心理技術をビジネスに使いたい人
  • ビジネスを成功させたい人
  • 詐欺にひっかかりたくない人

まとめ

この本がいいなと思ったら、手に取ってみてください。

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この記事を書いた人

現役ITエンジニア。ITパスポート、情報処理技術者(高度)6区分に合格。"勉強が苦手な人が「分からない」から「分かる」へ"をテーマに発信しています。

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