資格をとって良かったことvs悪かったこと【現役のITエンジニアが解説】

「資格を取ればステップアップできる」と言われていますが、実際のところどうなのでしょうか。

ITエンジニアの中には、資格取得に積極的な人もいれば、消極的な人もいるのが現状です。

X(Twitter)でも「資格は意味ない」とポストを見ることもあります。

そこで今回は、現役のITエンジニアが資格をとって良かったこと、悪かったことを具体的に解説していきます。

ときは

情報処理技術者試験やベンダー試験を20個以上合格してきた現役のITエンジニアが解説します

目次

1.良かったこと

(1)報奨金が出たこと

ITエンジニアが資格を取得すると、企業によっては報奨金が支給されることがあります。

私はSIer(システム開発や運用などを請け負う会社)で情報処理技術者試験に合格した時は報奨金が出ていました。

例えば、

のような感じです。

臨時ボーナスみたいな形で、その時に買いたかったものを購入していました。

報奨金でソファを購入したこともあります。

このように報奨金はモチベーション向上にもつながります。

報奨金を得られたことで、さらに資格取得に励むきっかけになりました。

IT資格は昇格昇給に必要か・報奨金は出るか、調査で見えたIT大手10社の違い

(2)未経験分野でも前提知識がついたこと

資格取得を通して、これまで触れたことのなかった分野の知識を得ることができました。

私は業務アプリケーションのITエンジニアでしたが、プロジェクトマネジメントする上ではインフラの知識も必要になってきます。

その知識を得るためにネットワークスペシャリストを受験しました。

基礎知識があると、

  • その領域の知識があるので、その領域のエンジニアと会話できる
  • そのエンジニアが、こちらの話に耳を貸してくれる
  • アプリとインフラの橋渡しができる

ようになります。

アプリのことしか分からないと、インフラのことは全部お任せになってしまいます。

その結果、何か問題が起こった時に、何が起きていて、どんな対処をするのかのイメージがしづらく、状況把握に時間がかかってしまうこともあります。

また個人的な見解となりますが、専門領域のITエンジニアは職人気質な人が多いため、最低限の知識を持って接しないと、まともに取り合ってくれないこともあると思います。

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(3)転職の面接で評価された

資格取得は、転職活動においても役に立ちました。

職務経歴書の資格欄に「運転免許」以外の資格を書けるようになります。

転職においては、資格は面接時に転職者から積極的にアピールするものではないと思っていますが、知識があることを証明するために職務経歴書の資格欄に書きました。

たまたま面接の時に職務経歴書の資格に触れていただき、「自己研鑽」をしている姿勢を評価されたことがあります。

転職では実務経歴がもっとも大切で、資格は補助的な意味合いになりますが、資格は役に立つものだと感じました。

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(4)知らないことを「知らない」と自信をもって言えるようになった

ITエンジニアにとって、知らないことを恥じる必要はありません。むしろ、「知らない」と素直に言えるようになることが大切です。

しかし基礎的な用語に対して知らないと言うと、ITエンジニアとしてのスキルを疑われることにもなりかねせん。お客様からの信頼を失うこともあるでしょう。

では、ITエンジニアはどこまで知っているべきで、どこから知らないと言ってよいのか?

私の答えは「応用情報技術者試験の午前問題」が境界と考えています。

このレベルの知識は仕事をする上で最低限押さえておきましょう。

ただし私も満点とれるわけではなく8割程度の正答率なので、間違えた問題は理解する・覚えるというやり方でよいと思います。

(5)「すごいですね。尊敬しています」と言ってもらえる

資格取得は、周囲からの評価を高めることにもつながります。

上司から「頑張っていてえらいね」と言われることもあるでしょう。それはそれでうれしかった覚えがあります。

また最近会社の後輩と

「資格をいっぱい持たれているんですよね。その努力を尊敬します」
「私も応用情報技術者の勉強をしているので、頑張りたいです」

のような会話をしました。

報奨金とは違って1円にもならないし、ボーナスにもまったく関係ないのですが、これがなんだか非常にうれしかったです。

(6)業務でより高いレベルを目指そうと思ったこと

資格取得に向けて学習を重ねることで、スキルの向上にもつながります。

新しい知識や技術を習得できたことで、より高度な業務にチャレンジしていきたいという意欲が湧いてきます。

これまでの自分を超えられる可能性が広がるのです。

高いレベルになるということは、取り換え可能なITエンジニアから脱出するということでもあります。

詳しくは、次の本のP.87を読んでみてください。

2.悪かったこと

(1)時間がとられる

情報処理技術者試験の受験時間は、最大5時間です。

終電が続いていたり、休日出勤がある時でも、試験は開催されるので、その中でも受験しにいかないと行けないのがしんどかったです。

 「1日が試験でつぶれた」という気持ちで月曜日に出社するので、ストレスを貯めたまま仕事に向き合わないといけないのが大変でした。

あとあと振り返ってみると、大変だったけど受験しにいって良かったと思いますが、仕事との調整は大変に感じます。

人によっては家族との時間も大事です。

家族から

「平日は仕事をしているんだから、土日は子供の面倒を見てよ」

のようなことをいわれることもあると思います。

ですが、情報処理技術者試験は年2回なので、その時だけは無理やりでも試験を受けに行くことをお勧めします。

(2)費用がかかる

資格取得には、試験の受験料や教材費、講座受講費などの費用がかかります。個人負担となることも多く、家計やお小遣いへの影響も考慮しなければなりません。

やはり費用との相談はしないといけないと思います。

例えば、情報処理技術者試験の受験料が1回5万円だったら、私は何度も受験していないと思います。

費用対効果を考えるのは大切です。

個人的には1万円、高くても2万円を超える試験は会社に費用を負担してもらって受験したいですね。

ITパスポート、情報処理技術者試験などは1万円未満で受験できるので、圧倒的にコスパがよい試験と思います。

※ITパスポートを独学で受験される方は、こちらの参考書がオススメです。生成AIの解説は特別付録でされています。

※レビュー記事はこちら↓

まとめ

資格のメリットを受けられるのは、資格に合格した人だけです。

資格を職務経歴書に書く・書かないの判断ができるのも、資格に合格した人だけです。

私は資格にチャレンジしてきたことがITエンジニアのキャリアに大きく影響を与えています。

あなたは、どうなりたいですか?

追伸

私がITエンジニアとしてスキルアップしていこうと考えることになった一冊をご紹介します。

10年以上前に出版された本ですが、今でも使える内容です。ITエンジニアとしてどう成長していくか悩んでいる方にオススメの本です。

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この記事を書いた人

現役ITエンジニア。ITパスポート、情報処理技術者(高度)6区分に合格。"勉強が苦手な人が「分からない」から「分かる」へ"をテーマに発信しています。

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