みなさんは美術館に行ったことは、ありますか。
私は美術とは縁が遠く、美術館に行った記憶がありません。
もしかして幼いことに両親に連れられて行ったかもしれませんが、記憶が定かではないです。
では、なぜ美術館に行こうと思ったか。
なぜなら先日読んだ最高の体調 進化医学のアプローチで、過去最高のコンディションを実現する方法にこんな記載があったからです。
「畏敬の念には、炎症物質を適切なレベルに保つ作用がある。自然のなかを歩いたり、素晴らしいアートに触れたりといった活動は、いずれもポジティブな感情を引き起こし、健康や長寿に大きな影響を持つ」
第7章 実践ガイド
詳細は本書を読んでいただきたいのですが、「体調が悪い」「やる気が起きない」「疲れ切っている」人が体調を取り戻す必要な方法として、自然やアートに触れることが大切と書かれています。
先日私も腰を痛めて体調を崩したので、アートに触れて健康を取り戻すべく美術館に行くことにしました。
たまたま開催されたのが静岡市美術館「平野富山展」だっだというわけです。
※レビュー記事はこちら↓
平野富山とは?
平野富山氏は「ひらのとやま」ではなく、「ひらのふざん」と読みます。
私はかわいらしい作品を作られていたので女性かと思い込んでいたのですが、館内の説明で男性と知ってびっくりしました。
出身は静岡市清水区で、東京都荒川区に住んでいたことがあります。
富山さんの次男である平野千里氏は荒川区荒川区育ち、小石川高校出身です。
私は小石川高校出身ではないですが、実家と近いところとつながりがあって勝手に親近感を持ちました。
詳しくは静岡市美術館の説明を読んでみてください。
静岡県庵原郡江尻町(現・静岡市清水区江尻東)出身の平野富山(1911-89)は、日本近代彫刻史上、重要な彩色木彫家の一人です。人形師・池野哲仙(1880-1936)の元で学んだ確かな彫技と彩色技術により、伝統的な主題から今日的な女性像まで、超絶技巧とも言うべき作品を生み出しました。また富山は彫刻家・齋藤素巖(1889-1974)に師事して西洋彫刻も習得し、日展を中心に活躍します。さらには木彫界の巨匠・平櫛田中(1872-1979)に厚く信頼をおかれ、数多くの田中作品の彩色を手がけました。本展は平野富山の彩色木彫や西洋彫刻など約60点のほか、平櫛田中や関連作家らの作品約40点により、日本近代における人形、彩色木彫、西洋彫刻の三つの領域を横断し、彩色の専門家としても作家を支えた富山の仕事の全容に迫る初の試みです。
(静岡市美術館より引用)
※平櫛田中の「櫛」は、正しくは木へんに「節」
平野富山展に行く
静岡市美術館は、JR静岡駅北口にあります。新幹線改札口から遠い方にあるのが北口です。
北口からは地下街を通って雨に濡れずに「葵タワー」まで到着。
地下街からはエスカレーターを3回登り、美術館がある3階へ。
白を基調とした世界に入ります。カフェも併設されていて、飲食ができるようです。
受付でチケットを渡し、チケットの裏に日付をスタンプしてもらい、入り口を案内されました。
館内は原則として撮影禁止。メモを取りたい場合は受付になる鉛筆を利用するように案内が出ていました。
ちょっと戸惑ったのが、撮影禁止と書かれていた直後の展示物には、「この作品のみ撮影OK」と書かれていたこと。
ここでスマホを出していいものか考えてしまいました。私は結局撮影しませんでしたが、他の方も撮影している方はいませんでした。
最後の展示物も撮影OKのようでしたが、実際に行かれる方は注意事項をよく読んで対応してください。
館内は展示物を守るために冷房が効いていて、今日は暑かったので気持ちよかったです。
館内はそれほど人が多くもなく、ゆっくりと展示物を見れました。
館内は3つのブロックに分かれています。
- 彩色木彫を志すー「銕国」時代
- 西洋彫刻の仕事と平櫛田中との歩みー「敬吉」時代
- 彩色木彫家・平野富山
葛飾北斎もそうだったのですが、名前を変えていくのですね。
3つのブロックを全部見終わるのに、おおよそ20分くらいでした。
観覧している方も多くなかったので、じっくり見たい方はもっと時間をかけて見れると思います。
当日に限り再入館もできると出口に案内があったので、後でもう一度見たいと思った方は、是非。
印象に残った3つの作品
平野富山展で印象に残った3つの作品をご紹介します。
平野富山展の出品リストはこちらです。
ボデー・ビルダー
どんな作品か、みなさんに知っていただきたくてGoogleで「平野富山 ボデー・ビルダー」と検索したら、ボディービルダーがいっぱい表示されました(汗)
実際の作品はこちら(P.4の上段中央)です。
この作品はボディビルが流行をした1950年代に作られています。
写真で見ると小さく見えますが、実物は大人の男性ぐらいの大きさ。
直立しているのではなくポーズをとっているので、バランスをとるのが大変だったんじゃないかと思いました。
筒井筒
実際の作品はこちら(P.4の下段右)です。
若い男女の恋心を表しています。
男性と女性をそれぞれ個別に作ったのではなく、くっついた状態で作品を作っています。
離れない心をイメージしているのではないかと思いました。
伊勢物語をベースにしているようですが、色々あったものの男性が女性の元に戻ってくる様子が表現されていると感じます。
男性の右手が気になってしました。
母子順風
実際の作品はこちらです。
小さな岩座の上で腰をかがめた母の背中に、
体を大きく反り返らせた男児が乗っています。
母の背中には翼がついています。
両腕を広げた男児をしっかりと両手で支え、
風を受けて空にはばたくかのようです
石川県の尾山神社にも母子順風の像があるようです。
番外編:齋藤素巖 構図
記憶がたしかではないのですが、齋藤素巖 構図も伝わってくるものがありました。
インターネット上に公開されていたいのですが、第二次世界大戦中に作られたもので、7人ぐらいのイギリス兵が狭いところにひしめき合っている様子を表現した作品だったと記憶しています。
兵士の表情や、ひしめき合いぐらいから、戦争の悲惨さ、大変さが伝わってくる作品でした。
まとめ
美術は一生縁がないものと思っていましたが、今日美術館デビューできてよかったです。
私もそうですが、美術でみなさんの人生もより豊かになりますように。
おまけ
メルカリですとお得にチケットが購入できます。
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なぜか体調が悪い、疲れていると思っている方は手に取ってみてください。
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