【感想】夏休みのある学生時代に帰りたいと思いませんか?【君と夏が、鉄塔の上】

夏、青春、爽快感。

私が本作「君と夏が、鉄塔の上」に求めていたことです。

しかし物語は、次の文から始まる。

「帆月が屋上から飛んだ。僕はそれを教室から見ていた。」

えっ?と声を出してしまうほど衝撃的な一文でしたが、読み進めていくと期待通りの作品であることが分かりました。

悲しい話じゃなくて良かった。

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目次

総合評価&あらすじ

総合評価

★★★(星3)

全体的なストーリーとしては期待していた通りで満足。

ファンタジー的な要素が弱まれば星4です。

あらすじ

鉄塔の上に、男の子が座ってる――

鉄塔マニアの地味な伊達(だて)は中学3年生の夏休みをダラダラすごしていた。
しかし登校日の学校で、破天荒な同級生、帆月蒼唯(ほづきあおい)から「鉄塔のうえに男の子が座っている」と声をかけられる。
次の日から幽霊が見えると噂される比奈山(ひなやま)も巻き込み、鉄塔の上に座るという男の子の謎を解き明かそうとするのだが――。

爽やかに描かれるひと夏の青春鉄塔小説! !

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感想

良かったところ

本作の舞台設定が魅力的

私がかつて住んでいた埼玉県さいたま市周辺がよく描かれており、調神社、鉄塔、外環、荒川、秋ヶ瀬公園など、実在の場所が細かく再現されていました。

著者自身もさいたま市で育っており、地元の風景描写は違和感は全くなし。

知っている場所が出てくるので、より一層親しみを持って読み進めました。

“夏、青春、爽快感”がぎっしり

物語の内容自体も、私の求めていた”夏、青春、爽快感”がぎっしり詰まっていて大満足できる作品。

ひと夏の出来事が丁寧に描かれていました。

特に”帆月”の存在が印象的で、その強く凛とした性格が夏の暑さと颯爽とした風を想起させました。

伊達くん、かっこいい

表紙の「地上50mに見つけた僕らの明日」の理由は物語の最後にわかります。

最後のシーンの伊達くんがかっこいい。

進撃の鉄塔

送電線を追ってというサイトを見ながら、この作品を読み進めました。

鉄塔の形は一つ一つ違うのに、「どんな形でも、鉄塔の役割は変わらないんだよね」というのは驚きではありませんか?

そして、鉄塔にも男とか女とかがあるとは。

女鉄塔は、思わず進撃の巨人に出てくる女型の巨人をイメージしてしまいました。

残念だったところ

ファンタジー的な要素

物語後半では、鉄塔の上に登ったり、電線を歩いていくシーンなど、現実とはかけ離れた描写がありました。

確かにファンタジーの要素もあっても良いのですが、う少しリアリティーを残してほしかったです。

例えば、現実を踏まえつつファンタジー要素を取り入れるのがよりバランスがとれていたかも。

遅いかも?

小説の序盤から中盤までのテンポがゆったりした感じ。

終盤になるにつれ面白くなってくるので、前半が良ければ評価UPです。

口コミ

□地元です(星5)
浦和に住んでいて、毎月、秋ヶ瀬公園でテニスしているので、付近の鉄塔はいつも見ていました。まさか、その鉄塔が大きなテーマになる小説が現れるなんてびっくりです。

□ファンタジー要素のある青春小説(星3)
ファンタジー要素のある、さわやかな青春小説。さらっと読めるし悪くはないのだが、幻想部分の模写があまりにも現実ばなれしていて、少し入り込めなかった。

□青春(星5)
まるで自分がその場にいるような感覚で物語を読み楽しめました。
幼き頃の物事に対してのあのワクワク感が蘇った

□じわじわ惹き込まれる本(星4)
前半は平凡な時間が流れていて読み進めるのに少し退屈だと感じるところもありましたが、中盤あたりから、世界観や登場人物の雰囲気が好きだなぁと思いながら読んでいました。

アニメ映画にしてほしい(星5)
クソ暑い夏の日に、自分の小中学校時代の夏休みを懐かしく思い出しながら読む本。
是非ともアニメ映画にしてほしい。

まとめ

夏に読みたい青春を感じる本です。

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この記事を書いた人

理系脳と文系心を持つITエンジニア。情報処理技術者(高度)7区分合格。映画・本で感性を磨き、ヘルニアと闘いながらムエタイ最弱戦士として成長中。仕事と趣味を両立させながら、社会人の知的好奇心を刺激する情報を発信中。

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