【レビュー】【○○だったら、もっと面白かった】禁じられた遊び(清水 カルマ著)

禁じられた遊びを読んだので、レビューします。

≫ 「禁じられた遊び」(清水 カルマ著)

目次

総合評価&あらすじ

総合評価

総合評価は、★★★(星3)です。

点数は伸びませんでしたが、シンプルなストーリーながらも十分に怖さを感じました。

普段、ホラー小説を読まない方はぜひ読んでみることをおすすめします。

ただ、○○だったら、もっと面白い小説になっていたと思うので、この後、解説したいと思います。

あらすじ

伊原直人は、妻の美雪と息子の春翔と共に幸せな生活を送っていた。しかし、念願のマイホームを購入した矢先、美雪が交通事故に遭い、死亡してしまう。絶望する直人に対し、春翔は「ママを生き返らせる」と美雪の死体の指を庭に埋め、毎日熱心に祈りを捧げる。同じころ、フリーのビデオ記者、倉沢比呂子のまわりで奇怪な出来事が起こり始める…。

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本の紹介

「禁じられた遊び」は清水カルマさんが書かれた本です。2018年に「本のサナギ賞」を受賞しています。

清水カルマ

職業・フリーライター。合気道二段。2018年、第4回本のサナギ賞大賞を受賞。翌年、受賞作『リジェネレイション』を『禁じられた遊び』に改題し出版

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本のサナギ賞
本のサナギ賞は現役書店員〈本の虫〉が、「世に出したい」と期待を込める作品〈本のサナギ〉を見出し、書店、著者、出版社が一丸となりベストセラーを目指すエンタメ小説新人賞です。

本のサナギ賞

映画化されました

2023年9月には橋本環奈さん重岡大毅さんのW主演で、映画化されました。

60秒の動画なので、さくっと見れます。58秒目が一番怖い。。。

もう一つの「禁じられた遊び」

ちなみに、「禁じられた遊び」という映画がすでにありますが、こちらは、1952年のフランスの映画です。

この作品は、

  • アカデミー賞名誉賞(現在は、外国語映画賞)
  • ヴェネツィア国際映画祭サン・マルコ金獅子賞

を受賞した名作です。

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あらすじ
ドイツ軍の空襲で両親と子犬を失った少女ポーレットは農家の少年ミシェルと親しくなる。少年は死んだ子犬を埋め十字架を立ててやる。それから二人は小さな虫や動物の死骸を埋め十字架を立てるという葬式ごっこをするが…

引用:Amazon

実は関係があります

なお、フランス映画の「禁じられた遊び」と清水カルマさんの「禁じられた遊び」は1点だけ接点があります。

清水カルマさんの「禁じられた遊び」シリーズの「忌少女」に、フランス映画の「禁じられた遊び」のテーマ曲である「愛のロマンス」が流れるシーンが出てきます。

と思っていると、すぐに曲が終わり、ラジオDJが今夜は映画音楽の特集をしているということを話し、次の曲を紹介した。

-次は『禁じられた遊び』のテーマ曲、『愛のロマンス』です。

一瞬、無音になり、ギターソロの哀しげなメロディが流れ始めた。

忌少女

愛のロマンスという曲は、ギターが趣味の方は一度は弾いたことがあるのではないでしょうか。

「禁じられた遊び」シリーズ

「禁じられた遊び」シリーズは4冊出版されています。

著者である清水カルマさんの「おすすめの読む順」も、参考にしてください。

スクロールできます
あらすじ
※Amazonより引用
評価
※Amazon
時系列おすすめ読む順Kindle
読み放題
忌少女一躍話題になったホラー小説『禁じられた遊び』の前日譚。禁断の能力を持つ少女が憎悪に駆られた時、悲劇が幕を開ける。10年前
禁じられた遊び(本書)第4回本のサナギ賞大賞! 幸せな家族に突然降りかかった不幸。次々起こる怪奇事件。読みだすと止まらない、注目のサスペンスホラー。
カケラ女ミスコンを舞台に繰り広げられるホラー小説。恐怖の都市伝説が現実となるとき その憎悪からは、誰も逃れられない。10数年後
禁じられた遊び ふたたびあの恐怖から20年、怨念は消えない「許さない絶対に許さない」20年後
「禁じられた遊び」シリーズの比較

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「禁じられた遊び」は面白い!○○だったら、もっと面白かった

全体的に面白い小説と感じました。

ここでは「面白いと感じた点」を3つ、「○○だったら、もっと面白かった点」を3つ紹介したいと思います。

「禁じられた遊び」が面白いと感じた点

ハラハラ、ドキドキさせるような描写がうまい

#1でトカゲが出てくるシーンでは、その展開が怖さを感じさせました。

美雪のシーンが終わった後に、子供のシーンに変わりますが、ケガしちゃったの?大丈夫かな?とハラハラしながら読みました。

#1

可愛いところがあるじゃないか、トカゲぐらいでこんなに驚いて。新しい生活が始まったばかりだからだろうか、まるで新婚の頃に戻ったように美雪が愛しく感じられた。

そんな直人たちの前に、春翔が駆け出してきた。

「パパ……」

きょとんとした表情で直人を見上げ、春翔が手を差し出した。小さな手が硬く握り締められている。トカゲを捕まえたのかと思ったが、この小さな拳の中にトカゲを一匹握り締めることはできないだろう。それに春翔に捕まるような鈍いトカゲがいるとは思えない。

「春翔、何を持ってきたんだ?」

直人が問いかけると、握り締められた春翔の拳がゆっくりとひろげられ、中から黒い小さな紐のようなものが現れた。なんだこれはと思った瞬間、その紐はビクンと跳ね、春翔の手から飛び出して地面に落ちた。

後から思い出すと怖い、鳥肌が立つ

物語で春翔は「黒い小さな紐のようなもの」を土に埋めて、呪文を唱えていますが、後に別のものを埋めて、呪文を唱えるシーンがあります。

子供の純粋な行動とは思いつつも、静かな怖さを感じました。

また、このシーンを後から思い出すと、単純に怖いのです。何度鳥肌がたったことか。

#2

「えろいむえっさいむ、えろいむえっさいむ……」

出任せに言ったつもりの呪文だったが、よく考えると、昔観た映画の中で、呪術を使って死人を蘇らせる時に使われていたものだということに気づいた。

「えろいむえっさいむ」とは、ヨーロッパで流布した魔術書グリモワールに記された呪文のひとつ。

直人の心の葛藤が良く書かれている

「敵」に立ち向かう直人の心の葛藤が、丁寧に書かれていると思いました。

その場になれば、誰でもそのようになってしまうのではないでしょうか。

#27

震える声で囁きかけながら、直人は鎌を振り上げた。切っ先を地面に向け、今まさに振り下ろそうとしたその時、地面が微かに動いた。虫が這い出そうとしているかのように、乾いた地表がひび割れ、小さな石が転がり落ちた。直人の動きがぴたりと止まった。

○○だったら、もっと面白かった点

読む前の雰囲気作りが重要

本が始まってすぐ超常現象の描写があります。

日常生活の延長で読み始めてしまうと、

なんだこれは??

と思ってしまうので、雰囲気を作ってから読み始めたほうがよいと思います。

この本の描写というよりも、私の本の読み方が良くなかった(汗)

夜に一人になってから読むことをオススメします。

美雪が亡くなるまでが早すぎ

物語の最初で、美雪が交通事故で亡くなってしまいます。

ただ、亡くなる前の美雪とのストーリーをもっと盛り込むなどして、感情移入をさせてほしいと思いました。

美雪が亡くならないとストーリーが始まらないのは理解できますが、このあたりのさじ加減は難しいところでしょうか。

「敵」にそこまで恨まれる?

物語の後半で「敵」と対峙することになりますが、そこにいたるまでに、そこまで恨まれるようなことをしていたのでしょうか。

激しく恨まれるということであれば、それに匹敵するような出来事の描写があってよいと感じます。

ただ、些細な出来事であっても、それさえも恨みにもってしまうという意図の描写だったかもしれません。

口コミ

禁じられた遊びの「レビュー」を、要約して5個のせておきます。

□スラスラ読めました。星4

私は難しい話が苦手です。
でもこの作品は話がシンプルなので、スラスラ読めました。

□最後まで読みました。星4

なんとも言えない気持ち悪さが残る作品です。

□じわじわと迫ってくる恐怖感にゾクゾク。星5

映画になるということで、どんな映像になるのか想像しながら読み終えました。
ジャパンホラーが好きな人にはオススメです。

□まあまあ楽しめたけど…手垢のついたホラー。星3

読み始めてすぐの段階では、エンタメ小説としてはおもしろい展開かも…
と期待して読んでいきました。確かにどこかこなれた文体には作者の力量も感じ、
説明・描写もシンプルでわかりやすく書かれています。

□ペットセメタリーでした。星3

スティーヴン・キングのペットセメタリーを読んでください。そうしたらこの作品を読む必要はないです。

引用元:Amazon

ペット・セメタリーって?

私は読んでよかったなと感じたのですが、「つまらない」と思った方もいたようです。

その理由は、スティーヴン・キングの「ペット・セメタリー」を読んだ人・見た人にとっては、それをアレンジした作品と感じたようで、「つまらない」という評価をしたようです。

また、ホラー好きの方にとっては、落ちがわかりやすかったという評価です。

私はというと、「ペット・セメタリー」を読んだことも見たこともなく、ホラーものもほとんど見ないので、純粋にストーリーを楽しむことができました。

自分は落ちもまったく予想できませんでした(汗)

※参考:
 ペット・セメタリーの小説版はこちら
 ペット・セメタリーの映画版はこちら

あらすじ
アメリカ・メイン州の小さな街ルドロー。トラックが行き交う道路沿いに引っ越してきたルイス一家は新しい家に大喜び。だが、数日後、ペットの猫が轢死。近くにあるペット・セメタリー(動物墓地)の奥の“禁断の場所”に埋めると、なんと翌日猫は生き返った。日を置かずして幼い息子ゲイジがトラックにはねられ死亡。歎き悲しむルイスはこっそり遺体を例の場所に埋葬するが…。

引用:Amazon

「禁じられた遊び」は、ホラー小説初心者にオススメ

禁じられた遊びは、シンプルなストーリーながらも十分に怖さを感じる小説です。

1ミリでも気になったら、無料サンプルだけでも読んでみてください。

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≫ 「禁じられた遊び」(清水 カルマ著)

追伸(P.S.)

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この記事を書いた人

理系脳と文系心を持つITエンジニア。情報処理技術者(高度)7区分合格。映画・本で感性を磨き、ヘルニアと闘いながらムエタイ最弱戦士として成長中。仕事と趣味を両立させながら、社会人の知的好奇心を刺激する情報を発信中。

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